■ Back ■ Elysium Web Top ■ |
さて、ここは他愛ない お喋り のページです。
息抜きに、お気に入りの紅茶を淹れてみるのはいかがですか?
もし夜も更けていれば、珈琲でも召し上がりながら、寛いで御覧下さい。
率直(フランク)にいこう | Let's Be Frank | 1998-05-30 #1 |
ブライアン・W・オールディス著 1957年
フランク一族の短編SF、人をくったタイトルです(邦訳タイトルもね)。
それは十六世紀のイギリス、青ひげ公爵とも呼ばれた国王ヘンリー八世の時代。 「短編なのにネタばらしてどうする!」なんて慌てずに。醍醐味はここから始まるのです。
連綿たる永続性 |
まず個々の確認。個性ってそんな単純なもの? ギリシアに限らず、機能を分担する神々を想定した世界各地の神話では、一柱の神が複数の神権を兼ねたり、逆に複数の神が一つの神権を共有する例は茶飯事です。各地で別々に発生し、ごひいきされた訳ですから、当然そうなるでしょう。ですからまず個々を名称で区別する、と、ここでは取り決めておきます。 それに、神々のキャラクターは一言で要約できる「駒、カード」ではありません。人間や動植物(と言うとディオゲネスが吠える)、イヤなによりあなた自身だってそうですよね。
(言わばサーチエンジンの検索キーワードが「召喚」か。それと確率分布) 逆に本題の、年齢差のある別神が一つの神権を共有する例も同じ事が言えます。 |
Type 1 phase 大地なす豊饒女神デメテル−ペルセポネ母娘は、エレウシス秘儀で(こういう祭式を受けたのは二柱だけじゃないんだけど)、単一女神の相補的な母娘形態という特徴が顕著に増幅された好例です。 もとより、豊饒なる大地女神の系譜設定は更に、始原母神ガイア → 地母神レア → デメテルと溯っていて、クレタ・小アジア系女神レアは、歴代の牡鹿王を夫とするケルト女神のように様々な「大地|豊饒|狩猟|豊作|多産|死」女神達とリンクしています。 他には、不死の林檎を所有するヘラ−ヘベ母娘などが挙げられます。ヘラに最も憎まれた私生児ヘラクレス「=ヘラの栄光」が、最後に天上に迎えられヘベと結婚する大団円も、興味深いテーマを抱えているように思えます。
Type 2 series
Type 3 pallarel
|
若返り すぐに連想するのは、永遠の花嫁ヘラが毎日浴む泉、カナトス。この水浴で彼女の神体は毎日、結婚前日に戻ります。 シュメール神話で、親友エンキドゥを蘇生すべくギルガメシュが求めた若返りの海草のように、ギリシア神話にも(北方ゲルマン神話にも)生命力に満ちた果実、黄金の林檎があります。 これらに「養老の滝」よろしく、生命水(潤いや瑞々しさの象徴)が関係しているのは、言うまでもありません。しかし西の際(事実上はそのまた向こう岸)に有るそれは、エリュシオンの野やヴァルハラ丘でようやく英雄達が不老不死を得る事と直結しているのかもしれません。 * 黄金の林檎→ヘスペリア → ギリシア神話設定集 |
うつし、視点の限定(主観的見地) 光源氏が『源氏物語』全編で求め続けた、次の三人はどうでしょう。 なぜなら、古語「うつし」には、copy「写」と shift「移」の違いがありませんでした。
複数の自我 |
赤い鳥 今や不死鳥として知られる火の鳥は、吸血鬼ドラキュラ伯爵のように自らの灰から姿を取り戻し、永遠の生を持つ象徴とされていますが、その名は、赤い染料の産地で知られる地中海東端に紀元前20世紀に栄えた国ポイニキアと同じく赤い鳥、ポイニクスに由来します。タイル画に描かれたポイニクスはカナリヤのようで神性は見えません。遠いエジプトで「異国カナンに棲息する火の鳥」伝説が生じたのです。 ポイニキアはフェニキアと、ポイニクスはフェニックスと呼ばれた訳ですが、ポイニキアが変遷を経て1944年レバノン共和国となった今でも、フェニックスの名は変わらずに残っています。 |
SFベスト・オブ・ザ・ベスト(下) | ジュディス・メリル編 | 創元SF文庫 |
ISBN4-488-61309-8 C0197 P600E | ||
B.W.Aldiss 他の作品 | ||
地球の長い午後 (原題:HOTHOUSE) |
伊藤典夫訳 | ハヤカワ文庫 |
ISBN4-15-010224-4 C0197 \544E |
■ Back ■ Elysium Web Top ■ |